援助交際・パパ活を生む家庭

 目次
1.SNSとパパ活
2.援助交際・パパ活の事例
3.親は子供と向き合おう

1.SNSとパパ活

 「援助交際」「パパ活」という言葉にだまされてはいけない。「売春」といえばいい。女子中高生の一部は「パパ活」とあたかもファッションのように呼ぶ。援助交際する中高生は非行を繰り返す子どもばかりではない。今はSNSで、「夏休みだけ援します」とか、Twitterの#で援、援、パパ活と入れれば、出るわ出るわ。パパ活アプリも多数ある。資料は、警察庁(2018)の子供のSNSによる被害である。


 一昔の出会い系サイトは激減し、今はSNSが性非行の温床になっている。

2.援助交際・パパ活の事例

 援助交際する圭子(仮名)は、進学校に通う黒髪の普通の高校生である。ヴィトンのバックとティファニーのネックレスなど、小遣い以上のブランド品を持っているのが心配で母親が圭子を連れてやってきた。圭子は「援交で稼いだお金は汚いお金だから、バッグとか買ってすぐ使うの」と悪気もなくあっさり言う。汚いお金だということは知っているのだ。「パパ活のおじさんは、学校のこととか、友達のこととか、いっぱい話を聞いてくれるよ。でも、家ではお父さんともお母さんとも話をしない。親は成績のことやテストのことばかり。」と圭子は寂しそうに言う。家庭では、親のあたたかさを実感できていないのである。
 援助交際で補導された明美(仮名)も、ごく普通の家庭に育った中学生である。親は明美が学校で教師から注意されると、指導方法が悪いと学校に苦情を言いに来る。親自身は娘のいうことは何でもよく聞く、友達のような関係だと自慢し、理解のある親であると思っていたらしい。明美は「誰にも迷惑をかけていない。援交したのは私の勝手でしょ」と開き直ってはじめて親は子育ての失敗に気づいた。

3.親は子供と向き合おう

 子どもの話をしっかり聞いている時間はあるだろうか。親子が友達になり過ぎてはいないだろうか。規範意識を語れない、価値を語れない、人生を語れない親が多くなっているのでないか。「会話」はあるけど「対話」はない家庭。しつけの基本は学校ではなく家庭なのである。ある中学校の川柳大会の一位は「親を見りゃ。私の将来知れたもの」。その川柳を作った女子生徒は親の後を継ぎ、立派に食堂の看板娘となった。子どもは親の姿をいつも見ているのである。

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